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今回も保存車を見ていきます。
三重県内に、形式の分からない国鉄急行色を纏った気動車の前頭部が保存されているので見てきました。

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茂みの中に、見慣れた国鉄急行型の塗装が見えてきました。。
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そして、保存車の全景です。
住宅地の中に保存されているため、このような位置からしか姿を眺める事が出来ませんでした。。
過去に正面から撮影された画像を見たことがありますが、車両の正面は用水路、、
用水路の中から撮影したのか疑問が残ります。。

話を戻して、車両を見てみます。
前頭部の車体のみが保存されています。
それにしても見たことがない顔つきをしていますね。。
そして、一丁前に国鉄急行型気動車塗装を纏っています。。
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かつて、JR北海道の釧路に所属していたキハ40-764は、映画撮影に伴って前面窓の平窓化や前照灯の1灯化が施されていました。
今回訪れた保存車にかなり近い雰囲気ですが、保存されているのは三重県内でJR東海の車両が同じような改造をした記録はありません。。
よって、この車両とは関係なしと思われます。。

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保存車を屋根から順番に観察していきます。。
まず、車体の屋根構体と車体の側・妻構体が溶接以外の方法で締結されており、隙間が確認できます。
キハ58系列やキハ40系列ではこのような工法は用いられていません。
更に、前面形状に注目すると、屋根構体外板の外形線に比べて、妻構体のそれはかなり直線的であり一致していません。。
よって、もともと別に作成された各部を無理やり組み合わせて作成されたものであると思われます。
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加えて、屋根構体も前後2つに分割されており、前部のそれのみ腐食が激しい状態となっています。
これは、前部の屋根構体のみ普通鋼で、後ろの構体はSUS鋼等で作成されたものであると思われます。
この前部の屋根構体は、形状と前照灯の位置及び方向幕の形状、手すり配置等を吟味すると、キハ40系列とキハ66系列に酷似しています。。
この車両の保存場所付近にはかつて伊勢車両区が存在し、キハ40系列も在籍していました。。
廃車発生品等を用いたのでしょうか?

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続いて前面の腰部を見ていきます。。
助士側平面窓下の塗装がはがれて金属の下地が見えていますが、腐食していません。
また、一部の113系等の東海顔で見られた、SUS製の貫通扉の塗装はげに酷似しています。。
この事から、妻及び側構体はSUS製であると推測されます。。
更に、尾灯とタイフォンの位置関係は、これまでのどの形式にも当てはまらない完全にオリジナルなスタイルとなっています。。
タイフォンはシャッタ式であるのでまさかの寒冷地仕様。。
そして尾灯は、助士側レンズが欠損していますが、60年代後半以降に採用された外はめ式を装備しています。。


以上の事を考慮すると、該当形式が消滅してしまい、形式不明という結論になってしまします。。
次の記事でもこの保存車各部を眺めていきます。。
(2/2)へ続く。。

一部画像:RailStation.netより転載可の画像を使用